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2009年 年明けに当たって
 
2009年1月8日
全国公立大学教職員組合連合会書記局
 
 新しい年が始まりました。皆さんさまざまな思いを胸に、決意を新たにされたことと思います。
  昨年の世相を表わす漢字は「変」でした。「変」という漢字の受けとめ方はいろいろあると思いますが、おそらく今の日本では変の前に「大」が加わり「大変」となるのではないでしょうか。
 
 暮れから年始にかけて厚生労働省前の日比谷公園に「派遣村」ができて話題になりました。「仕事がない」「住む所がない」「仕方がない」と、途方にくれている人たちがあふれています。どこかの政務次官が「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかな」と、あきれ果てる発言をし、顰蹙を買ったのは記憶に新しいところです。
  しかし、このような発言の背景には、「競争力強化」「規制緩和」「民営化」「小さな政府」「自己責任」、この5つがキーワードとなっている市場万能主義があり、この市場万能主義こそ人と人との「支えあう精神」を奪い、「社会の絆」をズタズタに寸断した張本人ではないかと思います。
  これを裏付けるかのように、大学の様々な分野の研究者から市場万能主義に関する批判的意見や対応策が発信されるようになりました。法人化以降、「学問の府」としての品格が疑われるほど、大学は市場万能主義の一番の犠牲となり、「疲れきっている」状況でしたが、大学の研究者から将来の安心と希望を抱くことができる社会の実現に向け、各分野から多くの提言が示されています。
 
 相田みつをの詩に「ただいるだけで」という作品があります。「あなたがそこにただいるだけで、その場の空気が明るくなる。あなたがそこにただいるだけで、みんなの心がやすらぐ。そんなあなたにわたしもなりたい。」世の中に対する存在感として、このことは大学にも当てはまると思います。学問研究の本質が「自然と社会と人間の探求」を通して、その成果が「人類社会の原動力」となることだといわれてきましたが、今こそ大学本来の役割を発揮し、社会から大学が「ただいるだけで」頼もしい存在であると評価されなければなりません。
  大学が社会からこのような評価を受けるためには、大学に「学問の自由」と教職員が人間らしく働ける「ディーセントワークの確立」を保障する必要があります。
 
 全国76の公立大学教職員組合の唯一の全国組織である全国公立大学教職員組合連合会は、「学問の自由」と「ディーセントワークの確立」を求めて最大限の努力を払っていく決意です。全国公立大学教職員組合連合会が各大学教職員組合にとって、「ただいるだけで」頼もしい、とその存在が評価されるよう努力していきたいと思います。
  本年も、全国公立大学教職員組合連合会へのご協力、よろしくお願いいたします。
   
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